好きな映画語り②グレイテスト・ショーマン

先日飛行機に乗る機会があり、その移動時間を使ってグレイテスト・ショーマンを観なおした。

 

 

この映画を初めて観たのは、確か今から2,3年ほど前だったかと思う。この映画を観た当初は、精神的に張りつめていたこともあり、1人でティッシュを抱えボロボロ泣いていたことを覚えている。

 

 

この世に1人として同じ人間がいないのと同じように、容姿が同じ人間も存在しない。(双子も厳密には違う顔をしていると思う。多分)

しかし、多数派でない容姿で生まれた者は、愚かな多数派に排他される傾向にある。

 

 

それは昔も今も変わらない。まったく容姿で人を差別したことがない人間なんて私含めそもそもこの世にほとんどいないのではないだろうか。

 

 

ただ当たり前に言えることは、誰もが平等に自分らしく生きる権利を有しているということだ。

 

 

この映画は、その当事者である人や人より自分が劣っていると感じている人に、これが自分で、個性だと受け入れる、自分を許すための勇気をくれるようなエネルギーのある映画だと感じている。

 

 

あらすじ

物語のあらすじは、貧しい仕立て屋の出であるバーナムとお嬢様のチャリティーとその子供たちが、バーナムの勤め先が倒産したことをきっかけに事業を始めようと画策し、結果的に風変りな人々を集めたサーカス団を開くというものだ。

 

 

風変りな人々というのは、ひげの生えた女性や子供ほどの背丈の男性、黒人、とても背の高い男性など、これまで蔑まれ身を潜めて生きてきた人たちで、

 

 

バーナムが彼らを集めたのはボランティア精神からではなく、物珍しさで人々の注目を集め金儲けをすることが大きな目的だったが、目的はどうであれ、これまで隠れるように生きてきた彼らは、そこで初めて自分の輝ける場所や仲間を見つけることができた。

 

 

そんな彼らに、バーナムはこれまで富や名声ばかりを追い求め、大切な人を蔑ろにしていたことに気づかされる。

 

 

音楽

グレイテスト・ショーマンミュージカル映画なので、作中では登場人物たちがよく歌うし、急に歌いだすこともある。そのためミュージカルチックなものが苦手な人はそれだけで観るのをやめてしまうのではないだろうか。

 

 

ただ、この映画に至っては作中では大げさに演じている感じや無理くり曲を食い込ませている感じは全くなく、むしろ登場人物たちの感情がひしひし伝わってくるような音楽が映画を魅力を一層引き立てている。

 

 

作中でも特に印象的なのは、「The Greatest Show」、「Never Enogh」、「This is Me」の3曲だ。この3曲に至っては、おそらく映画を観たことがなくても耳にしたことがある人は多いのではないだろうか。

 

 

まず、この映画のメインテーマともいえる「The Greatest Show」が流れるのは、映画の冒頭でバーナム率いる団員たちがパフォーマンスをするシーンだ。

 

 

ここの盛り上がりで一気に引き込まれてボルテージが上がったところで本編に入る。そしてラストもこの曲で締まる。冒頭と終わりで2回聴いても、それぞれ「最高やんけ!」という気持ちにさせてくれる楽曲だ。

 

 

「Never Enogh」は、バーナムが目を付けた歌姫ジェニーが劇団の公演で披露した曲だが、そのシーンではまず歌唱力に圧倒される。そして歌詞の訳を見てみると、歌姫ジェニーの出生から想像できる満たされない思いが感じられる。

 

 

切ないながらもパワフルで迫力があり、感情を揺さぶられる。個人的には作中の楽曲の中でも特に好きな曲だ。実際「Never Enogh」は多くの国でアルバムチャート1位を獲得するなど人気の高い曲なので、ぜひ一度聴いてみてほしい。YouTubeで公式があげてた気がする。

 

 

そして前述した2曲を抑えるほど人気が高いのが「This is Me」だ。この曲は、作中で髭が生えている女性が、これまで排他されてきたことへの怒りやこれから胸を張って生きていく決心を歌っている。

 

 

「どんなに鋭い言葉が私を切り裂こうとも、洪水を起こして溺れさせてやる」、「これが私だ」というネガティブな気持ちを吹き飛ばすような強い歌詞が、当時メンヘラをこじらせていた私に刺さり、そうだよな、This is Me精神で生きていていいんだよな…とボロボロに泣いてしまった。

 

 

私はどうしてこんななんだろう、あの人みたいになれたらいいのに…とふさぎこんでいじいじしているよりも、自分誰が何と言おうとこれが私なんだよ、なんか言ってくるやつぁぶちのめすぞくらいの気概で生きているほうがやっぱり素敵だ。

 

 

おわり

やっぱり前向きに生きていくことってなかなかできるもんじゃない。この映画を観たからと言って必ず心が晴れるわけでも救われるわけでもない。

 

 

ただ少なからず、ああ。そうだった。人間って意外と自由にやっていいんだよな。みたいな、肩の荷が下りるような心地になる人はいると思う。メンタルやられている人でもある程度観やすい映画だと思うので、興味のある方はぜひに!