好きな映画語り①IT
直近で観ておらず所々うろ覚えだけど好きな映画がたくさんあり、それについても書いときたいなと思ったので、まず今回は「IT」について書いていきたいと思う。
ITは、ピエロ恐怖症を世の中の子供に植え付けるきっかけになったともいわれているメジャーなホラー映画だが、私の所感ではエモーショナルさが魅力の青春ホラーストーリーだ。
まずlTは2作に分かれており、1作目では主人公たち(ルーザーズ・クラブ)が中学生ぐらいで人喰いピエロペニーワイズ(IT)とはじめて対峙。2作目では、それから27年後の彼らが再会し、再度ペニーワイズに立ち向かっていく構成となっている。
この○年後もっかい帰ってくる的なのはシャイニングでもやってたのでホラーの定番なのかよくわからないが、1作目を観た人からすればこのエモーショナルさは半端ではない。
特に2作目では再集結したルーザーズ・クラブの面々がペニーワイズを倒すために1作目で乗り回していたチャリンコやコインゲームのコイン、ラブレターなどそれぞれの思い出の品を集めていき、忘れたい思い出と忘れたくない思い出に向き合っているシーンは、「お前たち大人になったな…」という感情になる。
ちなみにこれは2作目でペニーワイズが死にそうな時彼らに言ったセリフだが、結局ITはルーザーズ・クラブにどんな気持ちでこの言葉をかけたのか謎だ。
そして再集結はもちろんのこと、1作目から2作目にかけペニーワイズと対峙し、克服していく様も熱い。
なぜならペニーワイズは相手が1番恐れているものの幻覚を見せてしこたま怯えさせてから人間を食べる習性があるからだ。
例えば主人公ビルが見る幻覚は弟のジョージ。1作目冒頭でジョージはペニーワイズに食われて死んでおり、この時ビルは弟と遊ぶのがだるくて仮病を使って弟を1人で遊ばせたので、その罪悪感からビルのせいで死んだと訴えるジョージの幻覚に襲われる。
火事で両親を亡くしたマイクは、扉の隙間から焼け焦げた無数の手が伸びてくる幻覚、父親から性的虐待を受けるベバリーは、風呂場で大量の血(生理の暗喩っぽい)があふれる幻覚を見る。
つまりは自分自身が最も恐れているものに対峙し、克服しないことにはペニーワイズに立ち向かうことはできない。これを乗り越えて強くなっていくさまは眩しい。
結局ラストはあ、そんなかんじなんだ…という結末で、賛否両論あるっぽいが普通に好きな作品なのでまたそのうち観返したいと思う。
ちなみにペニーワイズが人を怯えさせるのは怯えさせた方がおいしくなるかららしいが、それってトマトの水やりをあえて減らすと甘みが増すとか、クラシックを聴かせた鰹節はうまいとかそういう感じなのか?
ただペニーワイズは原作によると化け物というより地球外生命体らしいので、ペニーワイズがグルメどうこうというより動物の習性みたいなものの気もする。
とにかく、ITはお化け系ホラーが苦手な私でも観られる恐らく比較的優しいホラー映画なので、気になる方はぜひ2作併せて観てみてほしい。